辻邦生著『西行花伝』
『「宿命に委ねても、結局は、森羅万象(いきとしいけるもの)は黙りこくったままでした…」「しかし百合の花が咲いていたのではありませんか」』
『なぜそれはそこにあるのか。なぜそれはそれであって、他のものではないのか。師は…思いをめぐらしながら、弘法の跡を慕い…』
『現身に死ぬ…死者として存在…はまさしく出離遁世の真の姿…。森羅万象が私の前に花咲く相として現れてきたのは、死者として、つまり我執と無縁な者…』
『現身の私たちが…死を迎えるとき、肉体は…消えますが…生命は消えません。私たちは天地自然の歓喜を感じながら…月…花々…風となるのです。そのことを言葉だけが、歌だけが、疑いない事実…』
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全て意味がある。自分も周りも。それでええやん。
感じろ。受け容れろ。そして放出しろ。濁ってていい。
猪瀬直樹著『昭和16年夏の敗戦』
研究生の聡明さ、真摯さがよく分かりました。東条の苦悩も垣間見えました。
何故開戦を止められなかったのだろう…がずっと知りたくて。
猪瀬さん有難うございます。
「日露戦争でも不利な状況を覆した。やればできる」と。
南進しても本土に石油が届かない可能性は「やってみないと分からない」と。
海軍の軍備力の差も「やってみないと分からない」と。
「やってみて有利な条件で講和できたらいいな」と。
明治以来、日清以来、日露以来、多くの人命や国費を礎にしてきて今更…と。
開戦に向けて、御前会議に向けて、連絡会議に向けて、「○○な現状、○○な見通しなら開戦もやむを得ずか」と反対派も矛を収めざるを得なかったのだろうか。
俺も巻かれる。必ず。あかんなぁ。
日本の将来を憂慮し開戦を反対した方々には心から敬意を表します。