魚住孝至著『宮本武蔵 ―「兵法の道」を生きる』
吉川英治さんの『宮本武蔵』もとても楽しく読ませてもらったが、あまりに劇的なので、宮本武蔵の実像に迫りたく、ネット情報をもとに、この作品に出会った。
出会えてよかったと心から思える作品だった。
伊織が遺した小倉碑文やこれまでの学説等を総合的に勘案しながら史実がどこにあるか、丁寧に論考している姿勢が素敵だった。
『兵法三十五箇条』失礼ながら居酒屋に貼ってある「親父の独り言」に似てるなぁと思った。武蔵さん本当にごめんなさい。
著者は『五輪書』の空の巻の件で、次のように述べている。
『「心意二つの心をみがき」、「観見二つの眼をとぎ」…「少しもくもりなく、まよひの雲の晴れたる所」こそ、武士にとっての「実の空」だと知るべき…』
魚住さんありがとうございました。
バイク行 -宮本武蔵生誕の地ー
武蔵生誕の地(の有力候補?)にて、武蔵資料館、讃甘神社、武蔵神社に寄ってきました。
三十五か条の遺志を再認識し、自分のため、家族のため、社会のため、できること頑張ろう!とテキトーなことを誓ってしまいました。
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10時発20時戻 395km 気温4-12℃
昼間の戸倉峠、面白かった。高見峠は崩落で通行止め。
吉川英治著『宮本武蔵』
■文武そして内面も磨いた武蔵、カッコいい。
『自己も円、天地も円。ふたつの物ではあり得ない。一つである…「影だ---」…影の形は変わって見えるが、天地の象はかわらない。二刀も一刀---そして円である。』(八巻『円』)
■登場人物達が、武蔵以外で絡みすぎ。ドラマティックが止まらない
お通、又八、お杉婆、城太郎、朱美、お甲、辻風典馬、宍戸梅軒(辻風黄平)とか。
紀貫之の辞世の句
手にむすぶ 水に宿れる月影の あるかなきかの世にこそありけれ
ー 手にすくった水に映る月のように、はかない人生だったなぁ。
貫之の奥行き、深さ、太さなるものやいかに。