辻邦生著『西行花伝』
『「宿命に委ねても、結局は、森羅万象(いきとしいけるもの)は黙りこくったままでした…」「しかし百合の花が咲いていたのではありませんか」』
『なぜそれはそこにあるのか。なぜそれはそれであって、他のものではないのか。師は…思いをめぐらしながら、弘法の跡を慕い…』
『現身に死ぬ…死者として存在…はまさしく出離遁世の真の姿…。森羅万象が私の前に花咲く相として現れてきたのは、死者として、つまり我執と無縁な者…』
『現身の私たちが…死を迎えるとき、肉体は…消えますが…生命は消えません。私たちは天地自然の歓喜を感じながら…月…花々…風となるのです。そのことを言葉だけが、歌だけが、疑いない事実…』
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全て意味がある。自分も周りも。それでええやん。
感じろ。受け容れろ。そして放出しろ。濁ってていい。